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Channel: もぐら
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伝説のプロレスラー 若松 市政

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1984年(昭和59年)8月24日の新日本プロレス・後楽園ホールに登場したストロング・マシーン。
その横には、奇妙な服装にサングラス姿の男が、拡声器をもってワーワー大騒ぎ・・・。 
当時、こういったギミック系は日本人に馴染みがなく、私自身、なんのことやらよくわからなかった記憶がありますが、ようは将軍KYワカマツという悪のマネージャーに操られたマシーンが、新日本プロレスのレスラーを退治にやってきた・・・ という設定。(試合後のインタビューでもマシーンは、”ギギギ・・ガガガ・・” と答えています)

真剣勝負を好む日本人・・・ それも強さ(ストロング)と過激さを求めて新日本プロレスを応援(支持)する熱烈ファンにとって、これら架空のギミックが受け入れられるはずもなく、ワカマツが騒ぎ立てる毎にブーイングの嵐。
ところが、それに合わせるかの如く、マシーンは2号・・ 3号・・ と分裂し、最終的には4号にまで拡大。 
体型が似ているマシーン達がかわるがわるリングに入ると、瞬時に見分ける事ができず、それが無性に腹が立ったりつまらなかったり。 アンドレまでが仲間に加わって「謎のジャイアント・マシーン」 となると、もはやシラケムード。
当時実況担当だった古館伊知郎は、ワカマツの事を 「悪の羊飼い」 と呼び、マシーン軍団の事を 「暗黒増殖集団」 とか 「戦う金太郎飴軍団」 と面白ろ可笑しく形容。 これらも今考えれば、昭和らしいと言えば昭和・・・。

こういったファンの憎悪心理を揺さぶり、安価な資金(外人レスラーを高額だして呼ばなくても、身近なレスラーに覆面つけて出場させばよい)で話題を売り出す方法は、その後も 「海賊男」 として繰り返されますが、二匹目のドジョウとなるはずもなく大失敗。 このあたりから新日本の迷走が始まっていきます。

若松市政は国際プロレス出身のレスラー。 身長181cm 体重105kg とレスラーとしては小柄。
元々は電気技師として一般企業に就職していましたが、30歳の頃に国際プロレスの裏方(リング配送や設置、営業等)として採用され、時にはレスラーとしてリングに立つ日々。
国際崩壊後、自費でカナダに渡りレスラー修行をした際、当時のアメリカマットでは当たり前となっていた 「マネージャー」 に着目し転向。 以後、幾つものレスラーの悪役マネージャーとして活躍?した後、1984年、将軍KYワカマツとして、マシーン軍団を操る総帥として大暴れ(っというか、独りで大騒ぎ)します。
この 「KY」 の意味ですが、最近風なら 「空気読めない」 となりますが、当時、そんな流行語など存在せず。
一説には、カナダにいたKYという悪将軍から模したとも言われますが、後年のインタビューによれば、大恩ある、国際プロレス社長 ” 吉原功 ” のイニシャル の意味も込められているのだとか。

とかく嫌われ者のイメージがある若松ですが、実は人間性に優れ、人の数倍の努力家としても有名です。
国際プロレス時代、裏方から営業、更にはレスラーとしての仕事を黙々と続け、団体が資金繰りに困窮していれば、自身はホテルに泊まらずトラックの中で寝る・・ を繰り返していたとか。 また団体が崩壊危機に接すると、念願だった海外遠征を取りやめて、これらの業務に奔走。 それらを知る方からの信頼は厚く、若松の事を悪く言う人は少ないそうです。
現在74歳(H28・3時点)になられます。 1999年、北海道芦別市の市議会議員に当選。 4期務めるも2015年の統一地方選挙にて落選。

興奮すると迷言の多い事でも有名。
① 「 猪木! てめえの首をへし折るのに3分もいらねえ。 5分で十分だ~ 」
② 「 延長だ、延長! 5分延長させろ! テン・ミニッツだ~ 」

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